A-CLIS 衣裳部屋(Vol.7)

Last Update: 2001/06/30

公演前には、衣装デザインを紹介してましたが、せっかくなので公演が終わったものは、 実際に舞台で使った衣装の写真も紹介しようと思い、過去分の衣裳部屋も更新することにしました。 この作品はYARN続編ということで、「和風ファンタジー」というコンセプトで衣装デザインしてます。 ファンタジーとなると、ほとんど作り物になるので、制作は大変でしたが、こういう オリジナル衣装を考えるのは、とっても楽しいです（＾＾）。 勾玉というキーアイテムがあったので、古代日本風を中心にして、後はチャイナ風、江戸時代風 色々とりまぜてみました。
主役のヤサ。 出身が「質実剛健の国」というイメージだったので、生成りの生地の 素朴な感じの衣装にしました。勾玉が映えるように、とかも一応考えたので、 飾りとかも無くて、主役にしてはかなり地味でしたね。でも、帯とかは、ちゃんと 普通の兵士役とは違って、ちゃんと織物っぽい模様の入ったのにしたんです。 あと、このシリーズでは、「ハチマキ」系の頭飾りというのが、結構基本スタイルとして入ってるので、 役者には苦労かけたと思います。落ちないようにきつくすると、跡残っちゃったりして。 勾玉は紙粘土で作成。面白がって、皆で作ったので、まるでお菓子のように、袋一杯の勾玉が 出来てました。その中で形のいいのを選んで本番には使いました。
環。 環は元々のホンでは女性キャラでした。で、考えた女性用の衣装がかなりカッコよくて お気に入りだったので、キャストが男性に決まりそうになった時には、女性用の衣装が没になるのが 悔しくて、環候補に上がってた女優に「環になってー！オネガイー」と駄々をこねたものでした。 でも、「ちぇ」とかいいながら考えた割に、結構モンゴル風入れた男性キャラ用の衣装も気にいったので、 男性でも許してやろう、というところです（笑）。 ペンダントは中華街のチャイハネで見つけたもの。本当はこの形でもう少しグリーンがかった石のがあれば カンペキだったのですが、形はもうイメージぴったりだったので、決めちゃいました。結局、武器のロッドに 埋め込んだ石も、青にしたので、結果としてはＧｏｏｄでした。
マダム。 マダムはお色気たっぷりの楊貴妃のようなドレスで、大人の女って感じを出そうと思いました。 デザイン画に、「谷間を強調」と胸元に矢印を入れておいたところ、まあキャストがＡ−ＣＬＩＳきっての コスプレイヤーちあきちゃんだっただけのことはあり、本来の１．５倍くらいの胸を作って(!!）くれました。 まさに「圧巻」！（笑） 裾を引きずるデザインにしたために、激しい動きの時には大変そうでした。動きの練習の半分以上は、 裾捌きに費やしたのでは…？苦労かけて、ごめんなさい。
マドモアゼル マドモアゼルは「格ゲーキャラ」がコンセプトでした。最終的にヤサに付いていくことになる、 準ヒロイン的キャラなので、活動的かつかわいらしい、というのが第一目標。 マドモアゼルの衣装で拘ったのは、「ふわっと広がるリボン（帯）」でした。後、おだんご頭は 正直言って、実現すると思ってませんでしたね。ウチの早替え考えると、絶対無理だと 思ってたので。実現して、嬉しいです。（諦めずに描いてみるものね）
夜。 キャラクターとして舞台に乗せるかどうかはっきりしていなかったので（声だけ、とか 人形にするとか、色々案があった）、衣装検討は他より大分おくれてはじめました。 演出家と話すと、かなりイメージが違っていて、始めはどう擦り合わせしようかと、 迷いました。私は名前の通り「夜」のイメージで飾りのない黒のマントのようなものを考えていた のですが、演出家は「豪奢なお人形さん」のイメージなのだというのでした。考えた末、 「真っ白な衣装」を提案してみました。デザイン的にはシンプルなマントの路線ですが、 真っ白はある意味キンキラよりインパクトあるし、「綺麗」さも表わせるとの考えで。 ＯＫが出たので、その方向でデザインした結果がコレです。 ホンの中で「包帯」という指定があるのですが、実際に包帯を巻くのもそれはそれで大変 なので、衣装の中でうまく見せたいな、などと考えた結果が、今回のフードになってます。 右目をなくしてる時だけ、フードで目を隠すようにしました。
幼。 思いっきり某マンガのパクリな衣装を描いていたので、これ作ったらオタクなお客さんに 突っ込まれそうだなあ、と心配してましたが、結局有りモノで決着したので、一安心。（笑） これまで、ウチって女性メイン劇団だったので、正直少女漫画的衣装デザインしか出来ない私は、 この回、結構ハラハラどきどきでした。いや、いろんな意味で。
天。 正直、デザインもへったくれもない、という衣装ですよね。なんか、自分でも、 「このヒトの衣装、デザインしただなんて、大きな声で言って良いのか？」っていう気持ちです。 まあ方向性を決めるというのも必要な作業なので。それ以上でも、それ以下でもない…。
かゆら。 「天の好みのタイプ」って、それだけのコンセプトで描いてた気が…。 いや、一応前作ＹＡＲＮの流れの強い衣装にしようとは思ってました。そこで滅ぼされた星の生き残り っていう設定があったし。ちゃんと、そうなって、ます、よ、ね??

以上、VOL.7メインキャストの衣装デザインおよび衣装写真です。
しかしそれにしても、女環の衣装がボツったのが悔やまれる…。